今まで化粧水はスキンケアの代表格として、保湿のために使うことに何の疑問もありませんでした。
ところが、最近はその化粧水を使わないだけでなく、乳液も美容液も使わない肌断食という美容法があるようです。
その美容法についての専門家の本も多数出版されているので、ご存知の方も多いと思います。
やり方は、本の著者にもよりますが基本的には洗顔の後のお手入れはワセリンやニベアの青缶などのクリームだけを塗るというものが多いようです。
それは、肌本来の持つ保湿力に注目したもので、実際に肌の状態が良くなったり、肌荒れが改善する効果があるといわれています。
今まで、化粧水=保湿だと思っていたので、読んだときにはちょっとおどろきました。
それに、これまで当たり前だと思っていたことと真逆の説を聞くと、ホントのところを知りたくなりますよね。
だって、あまりにも化粧水は身近で、ほとんど習慣になっていますから。
でも、化粧水をつけなくても保湿が出来るとしたら、化粧水代は浮くし手間もかからなくなります。
しかも、肌の調子が良くなるとしたら確かにメリットしかないような気がします。
そこで、今回は化粧水の必要性の有無について紐解いていきたいと思います。

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化粧水をつける理由は何?それって期待しすぎかも
あなたは、何のために化粧水を使っていますか?

化粧水をつける理由は?と聞かれたら、こう答える人は多いのではないでしょうか。
それは、こんな話を聞いたことがあるからかも知れません。
- 洗顔後に1秒でも早く化粧水をつけないと乾燥する
- 安い化粧水でも大量に使うといい
- お風呂上がりに化粧水パックをすると翌朝の化粧のノリが違う
など、化粧水の使い方だけでもいろいろな情報がありました。
そんな話を聞くたびに、潤いのある美肌を目指してやってみたりします。

そうなんです、肌表面が乾燥するということは、肌の潤いを守っているバリア機能が働かず肌の内側の水分を蒸発させてしまうのです。

そう違うのです。肌表面がしっとりする=肌の水分量が上がるではないのです。

化粧水のホントの役目
そこで化粧水の役割を改めてみていきます。
化粧水には、色んな種類があります。
- 収れん化粧水…ヒンヤリとした使い心地、毛穴を引き締める
- 拭き取り用化粧水…クレンジング剤や汚れ、角栓や古い角質を取り除く
これらの化粧水は、余計なものを肌から取り除くために使われるため、長時間肌の上にのせておくことはしません。

それ以外の、化粧水パックやコットン、ハンドプレスで肌になじませるタイプの化粧水は、肌の表面を柔らかく保つために使用するものなのです。
化粧水に保湿を期待してはいけない理由
化粧水を使う目的は、配合されている成分から分かります。
化粧品の成分表示は、配合量の多いものから順に記載されていますが、化粧水の成分表示の一番最初に記載されているのは水です。ということは、化粧水の成分の中で一番多いのが水ということです。一部違う表記のあるものがありますが、それも基本的には水です。
その他は、グリセリンやエタノールなどのベース成分が続き、水とベース成分を合わせると全成分の70~90%を占めるといわれています。
残りの30%以下に、美容効果の期待できる成分や防腐剤などが配合されています。
化粧水は、水にベース成分と美容成分、防腐剤を溶かしたものでそのほとんどは水なのです。
水は、肌に浸透することはありません。浸透したとしても、約20層くらいある角質層の2~3層程度といわれています。
それは、人間の皮膚にはバリア機能が備わっていて異物の侵入を防いでいるのです。
手洗いや洗顔、洗い物などで水をつかっても、手が水を吸収してないのはこのバリア機能のおかげなのです。
濡れているときは一時的に柔らかくなりますが、水なのですぐに蒸発してしまいます。
また、化粧水のベース成分のグリセリンも、トロッと肌にくっつくような使用感で、伸びがよく、保湿効果もありますが、分子が大きいため肌に浸透することはありません。浸透しなければ、肌に水分をとどめておくことは出来ません。
エタノールにも保湿効果はありません。逆に、アルコールの一種なので揮発性が高く、つけたときに刺激を感じる人もいるようです。
その他の成分として、化粧品会社や種類によっても異なりますが、効果が期待できる美容成分が配合されたものもあります。それでも水が占める割合を超えることはありません。

それは、配合されている美容成分が一部浸透するとしても微量で、本質的な肌の保湿とは異なります。
肌が乾燥するからと言って、化粧水をたくさんつけても、水は蒸発するので乾燥肌が改善したり、時間がたっても肌がうるおい続けるということはないということです。
肌の保湿が目的なら、セラミドなどの保湿成分が配合された化粧品が効果的です。肌の内側で水分をはさみ込み水分の蒸発を防ぐ働きがあります。ただし、ゼリー状の成分で美容液などに配合されていることが多いようです。

化粧水を使うといい4つの理由
それなら、化粧水は本当に使う意味がないのでしょうか?
化粧水を使うメリットをあげてみます。
化粧水を使う4つの理由
- 美容成分が配合されていれば、その効果は期待できる
- 収れん化粧水は毛穴を引き締める
- 拭き取り用化粧水は皮脂や角栓や古い角質を取り除く
- つけ心地の良さや、サッパリ感、香りなどでリラックスできる
このように、化粧水を使うのであれば特徴を理解して、自分の肌に必要な成分が配合さた化粧水を選ぶと良いでしょう。
ただし、保湿だけを目的に使用すると、期待する効果は得られません。
特に、収れん化粧水や拭き取り用化粧水は脂性肌やニキビケアには効果が期待できます。ただし、使用した後は十分に保湿をして油分のあるクリームの使用は控えましょう。
化粧水に配合されていて美肌に効果が期待できる成分とは、ビタミンC誘導体やナイアシン、抗酸化作用のある植物エキスなどで、化粧水の形で売られているものもあります。
特に、ビタミンC誘導体はビタミンCの浸透力を高め、安定化させた成分で、肌へ浸透した後ビタミンCの働きをします。ビタミンCはコラーゲンの生成に必要なサポートをする成分なのでエイジングケアには効果的な成分です。
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以上のように、化粧水の特徴がわかればこれからの付き合いかたもわかりますよね。
まとめ
- 化粧水をつけた後しっとりするのは一時的なもの
- 肌の内側に水分が届いてはいない
- 保湿が目的なら、化粧水である必要はない
- 化粧水に配合されて効果を発揮する美容成分がある
このように、化粧水を使うこと自体に意味がないわけではありません。
保湿のためであれば、特に化粧水でなくても保湿は出来るということです。
また、化粧水の使うときに気を付けなければならないことがあります。
それは、過剰に肌に刺激を与えないことです。
- コットンでパッティングをする
- 手でつける時に、肌をこする
- 化粧水マスクを、説明書に記載されている時間以上、肌にのせておく
このようなお手入れは、肌のトラブルの原因になります。そして、肌に必要以上に触らないことも大切です。
肌断食のようなシンプルなスキンケアが見直されてきたのは、普段の過剰なケアで肌の状態が悪化する人が増えているからかも知れません。
年齢や季節、環境などの外的要因だけでなく、食事や睡眠、過度のダイエットで栄養が偏るなど内的要因によっても肌は変化します。肌質も常に一定ではありません。
現在の肌が健康でないなと感じたら、スキンケアを見直す時期かもしれません。