
写真に映る自分の顔を見て、老化を実感するという人は多いようです。
肌にハリがなく、表面がなめらかではないのが、陰影によってハッキリ映し出されてしまいます。
また、アゴの周りのもたつきや、ほほのたるみ、シワなども気になるところです。
そこで気になってくるのが、コラーゲンです。
するとコラーゲンが豊富と言われる食品を食べたり、サプリや健康食品などもコラーゲン入りのものを自然に選ぶようになります。
ですが、ときどき見聞きしませんか?
コラーゲンは食べても意味がないというウワサを。
…かなり気になるウワサです。
そこで、疑問が出てきます。

正直知りたいのはそこですよね。
そこで検証した結果、わかったことは
コラーゲンを食べたら、
直接的ではないが、
効果が無いわけではない!
ということです。
それは、私たちの体の中で使うコラーゲンは、体内でしか作ることができないからです。
どういうことかというと、コラーゲンを食べたらまず体の中で分解されます。
ということは、体内で消化吸収する過程ですでにコラーゲンではなくなってしまうのです。

そこで、コラーゲンが体の中で作られるように、必要な栄養素を毎日の食事やサプリメントから摂り続けることが必要になってきます。
ポイント
材料となる良質なタンパク質を食べて、コラーゲンを作るときに必要なサポートをする栄養素も日常的に摂取することで、コラーゲンを作る環境を体の中に用意しておくことが大切です。
また、紫外線の対策や食生活、生活習慣などを改善して、コラーゲンが減らないようにすることも大事です。
ここでは、コラーゲンの正体を知り、コラーゲンが減ってしまう原因や増やすために出来ることなどを詳しく解説していきます。
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コラーゲンのことを知っておこう
そもそも、コラーゲンとはどこに存在してどんな働きがあるのでしょうか。
コラーゲンはタンパク質の一種で体内で生成されます。
そのタンパク質は炭水化物、脂質とともに3大栄養素で人間の体を作るもとになっている重要な成分の一つです。
人の体のタンパク質のうち、コラーゲンは約30%をを占めているといわれています。
その30%のコラーゲンのうち、約40%が皮膚に、約20%は骨や軟骨に、それ以外は血管などに存在しています。
体の中でコラーゲンが新しく生み出されるのは20歳をピークに40歳で20歳のときの約半分にまで減少してしまうといわれています。
また、人間の体内には約30種類のコラーゲンがあるといわれています。
その種類は、主にⅠ型、Ⅱ型、Ⅲ型、Ⅳ型というように分類されています。
このうち体内に最も多いのがⅠ型で、体内のコラーゲンのうち約90%がこのⅠ型です。
- Ⅰ型…主に骨や歯、皮膚の真皮にある
- Ⅱ型…軟骨や関節
- Ⅲ型…血管や内臓
- Ⅳ型…皮膚の真皮層と角質層の間の基底膜
などコラーゲンは全身に存在しています。
コラーゲンのカラダでの役割
皮膚以外のコラーゲンにはどんな働きがあるのでしょうか。
コラーゲンは、皮膚だけでなく軟骨や関節にも存在していて、関節の動きをスムーズにするなどの役割があります。
血管を形作っているのもコラーゲン繊維です。
コラーゲンは代謝によって日々作り変えられていて、例えば血管が傷ついてもコラーゲンの分解と合成によって血管の修復が行われているのです。
一方でコラーゲンは、骨の主成分であるカルシウムやミネラルと一緒になって丈夫な骨を作り出しています。
ところが、体内のコラーゲンの減少によって骨も老化することがわかっています。
女性の高齢者に多く見られる骨粗しょう症の原因はカルシウムの不足だけではありません。
それは、加齢で体の中のコラーゲンが減少するため、骨の柔軟性が保てず骨がもろくなることも原因の1つとなっています。
この他にもコラーゲンには体がダメージを受けたら、その部分を再生しようとする特徴があります。
最近の研究では、コラーゲンを含む食品を経口摂取した場合、体内に入ったコラーゲンの破片がコラーゲンの材料になることが分かってきました。
この研究から、コラーゲンの再生力を活かして実際に、医療の現場では床ずれや火傷などの皮膚の疾患を再生する治療などにもコラーゲンは使われています。
肌にあるコラーゲン
肌のコラーゲンは主に真皮に存在しています。
真皮は、肌の表面である表皮の内側にある、肌の土台のようなものです。
このため、肌のコラーゲンは美肌には必須なのです。
この真皮で線維芽細胞からコラーゲンは生み出されて、真皮の約70%をコラーゲン繊維が占めています。
ここでコラーゲンは、肌の弾力を保ち真皮内の毛細血管によって酸素や栄養を肌に届けています。
真皮層の構造は、網目状のコラーゲンとその網目をつないでいるのがエラスチンという成分です。
さらにコラーゲンの網目の中を埋める保水成分のヒアルロン酸が肌の乾燥を防いで、ハリを与えています。
この真皮の構成が、ふっくらとした弾力性のある肌を支えているのです。
このような、真皮の仕組みはベッドのマットレスの構造によく似ています。
- コラーゲン…ベッドマットレスのスプリング
- エラスチン…スプリングをつなぎとめる部品
- ヒアルロン酸…スポンジ
これら、コラーゲン、エラアスチン、ヒアルロン酸は線維芽細胞という真皮にある細胞から生み出されていて、この細胞の力が弱まることで肌の弾力性や水分量が保たれなくなって健康な肌が作られなくなるのです。
コラーゲンが減少する理由とは
コラーゲンが減少する理由は、複数あります。
加齢以外の理由でも、コラーゲンは減少してしまうのです。
なぜ、コラーゲンが減少するのかその原因をみてみましょう。
コラーゲンが減少する理由①加齢
コラーゲンは20代をピークに段々と減っていき、40代では20代のときの半分にまで減少します。
この加齢が原因のコラーゲンの減少は、ストレスや活性酸素、食生活などの影響で新しくコラーゲンを作り出す力が弱まるからだといわれています。
コラーゲンが減少する理由②紫外線
肌のコラーゲンが失われる主な原因として、紫外線があげられます。
肌の老化原因の約65%は紫外線による光老化ともいわれています。
紫外線などの外部刺激により真皮のコラーゲンにダメージが与えられると、コラーゲンを破壊してしまい肌の土台がしぼんで、弾力がなくなり、シワやたるみの原因となります。
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コラーゲンが減少する理由③糖化
最近では、タンパク質とブドウ糖が反応して、タンパク質が劣化していく糖化も肌の老化に与える影響は大きいといわれています。
紫外線は肌の大敵として、UVカットの化粧品や、日傘、帽子などで紫外線対策をしている人も多いと思います。
ただ、糖化対策となるとよく耳にはするけれど具体的な対策をしていないという人も多いのではないでしょうか。
糖化とは、炭水化物に含まれている糖は唯一の脳の栄養源として、また体のエネルギー源として欠かすことのできない栄養素ですが摂りすぎると、エネルギーとして使いきれなかった糖がカラダのタンパク質と結びついて、AGEという老化を促進させる物質を作り出してしまうのです。
AGEは特に高熱が加わると、大量にできてしまいます。
このAGEが全身のタンパク質にたまって、老化を引き起こすといわれています。
コラーゲン繊維もタンパク質なので、当然この影響を受けるというのです。
タンパク質は新陳代謝によって、常に分解と合成を繰り返していますが、体の部位によって新陳代謝のスピードは違います。
例えば、真皮層のコラーゲンは新陳代謝のスピードが遅く、約15年で入れ代わるといわれています。このコラーゲン繊維にAGEが蓄積され老化が加速するというものです。
糖化した食品
から揚げ、ステーキ、トースト、たこ焼き、フライドポテトなど
など、茶色く焼き色が付いた食べ物です。

コラーゲンを減らさないようにする
コラーゲンを作り出すとともに大切なのが、今あるコラーゲンを減らさないようにすることです。
コラーゲンの材料を日常的に食べる
コラーゲンはタンパク質なので、まずはコラーゲンを体内で作り出せる材料を日々の生活で摂る必要があります。
それは、良質なタンパク質やコラーゲンを多く含む食材で、体の中に充分なタンパク質を用意しておくこと。
また、合わせて大事なのが、コラーゲンを作り出すときに重要なサポートの役割をするビタミンCも日常的に摂っておくことです。
コラーゲンの材料となる食品とは、必須アミノ酸を含む良質なタンパク質を指します。
この必須アミノ酸の摂取量が少ない状態では、アミノ酸からコラーゲンを作り出すことは出来ません。
良質なタンパク質を含む食品
- 動物性食品… 牛肉、豚肉、鶏肉、卵、牛乳
- 海洋性食品…魚介類
- 大豆製品…豆腐、大豆
コラーゲンを豊富に含む食品
- 魚介類…サケの皮、ヒラメの縁側、うなぎの蒲焼、フカヒレ、すっぽん
- 肉類…鶏のむね肉、手羽先、豚足、牛すじ
魚や鶏肉を煮ると、コラーゲンはプルプルに固まります。
コラーゲンは冷えると固まるので、これらの食品をスープで飲むと効率よくコラーゲンが摂れます。
このときに、ビタミンCも一緒に食べるとコラーゲンの生成に期待ができます。

紫外線対策は季節を問わずしっかりする
季節や天気を問わず、紫外線は降り注いでいます。
夏と冬や、外で紫外線に当たる時間でも対策は違ってきます。
また、海や山などで日焼けする場合と、日常生活での紫外線対策は違います。
ですが、紫外線対策は1年中必要です。
外に出るときには、しっかり紫外線対策をしましょう。
アウトドアのスポーツが好きな方は、要注意です。

糖化対策でAGEを増やさない
AGEを増やさないためには、甘いお菓子や糖度の高い果物はなるべく控えましょう。
また、糖質が大量に含まれているものとしては、ご飯やパン、麺類などの炭水化物です。
手軽に食べられる丼ものやカレーライス、パスタ、ラーメンなどは週に2回までと決めるなど、炭水化物中心の食生活は見直す必要があります。
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コラーゲンサプリメントを活用しよう
コラーゲンは分子が大きいため、体に吸収されることはありません。
化粧品などでコラーゲンを直接塗っても、肌に浸透しないのはこのためです。
そこで、コラーゲンサプリメントとして売られているものの多くは、このコラーゲンの分子を低分子化して吸収をよくしているので効果的にコラーゲンを摂取できます。
コラーゲンペプチドや低分子コラーゲンと書いてあるものがいいでしょう。
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コラーゲンペプチドとはゼラチンを細かく酵素分解したもの。
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ゼラチンはコラーゲンを加熱して抽出精製したものです。
コラーゲンペプチドは低分子なので水に溶け易く吸収率も高くなっています。
また、コラーゲンサプリでも原材料が違うものがあります。
原材料は大きく分けて動物由来のものと魚由来のものがあります。
魚由来のものは動物由来に比べて低分子のため吸収率が高いといえます。
またコラーゲンサプリメントを選ぶときにコラーゲンを作るときに力を貸す、ビタミンCやビタミンB群が含有されているものがいいでしょう。パッケージなどに、コラーゲンⅠ型や美肌、美容効果などと書いてあるものがあります。
コラーゲンサプリとコラーゲンドリンクでは配合量はコラーゲンドリンクの方が多いようです。
ただし、コラーテンサプリメントやドリンクは高価なものがありますが、ある程度の期間は継続して摂取する必要があります。

まとめ
今回ご紹介した、コラーゲンを作り出せる可能性はありますが、もちろん即効性があるわけではありません。
体の調子を見ながら、普段の習慣を見直してみましょう。
年齢とともに体は変わっていきます。
それは自然なことですが、日々少し気をつけるだけで老化のスピードを遅らせることや、若返ることだってできるのです。
年齢に負けない体を作って、快適な毎日を送りましょう。